JTAGアイソレータ

 J-Link JTAGアイソレータは標準の20ピンARM配置のターゲットボードとJ-Link間の電気的絶縁を保ち接続することができます。これにより開発ツールとターゲットが影響を与え合うことを防ぐことができます。例えば、モーターをコントロールするアプリケーションなどの急な電圧変動から開発ツールを保護し、開発ツール由来のノイズからセンサーなど精密な電圧変化を扱うアプリケーションを保護します。

J-Link,J-Link PRO,J-Link ULTRA+,J-Link PLUS,Flasher ARMと互換性があります。

 

電源供給

エミュレータ側とターゲット側で電源供給が完全に分離されています。エミュレータ側からはピン19、ターゲット側からはピン1または2から電源供給を受けます。

J-Link JTAG Isolator Notes 440x

 

JTAGアイソレータの特長

  • 1kVまでの直流電気絶縁に対応
  • 3.3V/5V ターゲット動作電圧に対応
  • エミュレータ側とターゲット側の両方からの電源供給
  • JTAGの標準20ピンはTRST,TDI,TMS,TCK,RTCK,TDO,RESET信号に対応
  • ターゲット側の電力消費は50mA未満
  • JTAG周波数は4MHzまで対応
  • 3つのLEDでエミュレータの電源・ターゲットの電源・ターゲットのリセットを示します

 

コネクターとインジケータ

JTAGアイソレータは入出力の伝送時間を極短時間にすることができる高速オプトカプラを使用しています。次のコネクターとインジケータで用いられています

  • エミュレター側の20メスピン
  • ターゲット側の20オスピン
  • エミュレータ側の電源を示す緑色LED
  • ターゲット側の電源を示す緑色LED
  • ターゲットのリセットを示す赤色LED

 

ブロック図

jtag isolator block diagram

 

ターゲット側の接続図

jtag isolator connection

エミュレータ側はエミュレータに直接接続します。ターゲット側は20ピンケーブルを通じて接続します。

ピン信号タイプ説明
1 VCC Output アイソレータのターゲット側はこのピンを介して電力が供給されます。
2 VCC Output アイソレータのターゲット側はこのピンを介して電力が供給されます。
3 nTRST Output JTAG リセット.。J-Linkからターゲットに対してリセット信号の出力が行われます。
5 TDI Output JTAG データ入力
7 TMS Output JTAG モードセット入力
9 TCK Output JTAG クロック信号
11 RTCK Input ターゲットからのテストクロック信号の受信。
13 TDO Input ターゲットからのデータ受信
15 RESET I/O ターゲットCPUのリセット信号
17 N/C N/C 非接続
19 N/C N/C 非接続

ピン4,6,8,10,12,14,16,18,20はGNDに接続するGNDピンです。

 

アイソレータとJ-Linkの使用

アイソレータを使用するために次の準備をして下さい。

  • アイソレータをJ-Linkに直接つなげる
  • J-Linkの電源を入れる
  • エミュレータ側の緑色LEDが点灯したこと確認する(もし点灯しない場合は次のセクションを参考にして電源供給を成功させて下さい)
  • ターゲット側の接続をする
  • ターゲット側に電源が入るとターゲット側緑色LEDが点灯します

ターゲットがリセットされると赤色LEDが点灯します。

 

J-Linkからの電源供給

J-Linkは5Vの電圧でピン19を通してアダプターに電源を供給しなければなりません。そのためJ-Linkの設定を次のようにして下さい。

  • SEGGER J-Linkソフトウェアが開発用マシンにインストールされていることを確かめて下さい
  • “Start -> Programs -> SEGGER -> J-Link ARM”としてJ-Linkコマンダーを起動します
  • ”power on perm”コマンドを実行します
  • アダプターに接続します

これでエミュレータ側緑色LEDが点灯するようになります。